勉強 study 2003 12 26
話の内容が、少し、むずかしいと言われるので、
今日は、中学校のレベルで、話をしましょう。
おせち料理のセットが好調で、しかも、高額のおせち料理が売れていると聞きます。
これは、景気がいいのでしょうか。
いいえ、違います。
これは、まず第一に、「消費の二極化」で説明できます。
一般的には、サラリーマンの給料が減って、生活は苦しくなったのですが、
全部のサラリーマンが苦しくなったのではありません。
一部の「勝ち組」と言われる企業に勤めるサラリーマンは、給料が増えました。
また、株価が上昇しましたので、株を所有している人は、少し余裕ができました。
つまり、こういう人にターゲットを絞って、高額のおせち料理を販売しています。
これは、階級社会の兆候とも言えます。
外国には、庶民が行くデパートのような店と、上流階級が行くデパートがあります。
次に、「消費の非日常性」で説明できます。
毎日、朝起きて、学校に行って、家に帰ってきて、宿題をやって、
テレビを見て、夜になると寝る。次の日も同じ。
こんな繰り返しに退屈していませんか。
退屈したので、
いつもと違って、何か変ったことをやりたい、変化をつけたいと思いませんか。
これが、非日常性を求めることなのです。
つまり、消費において、非日常性を求めるのです。
景気がよければ、非日常性を求める行動は、どうなるか。
海外旅行に行くか、自動車を買い換えるでしょう。
しかし、お金がないので、これは、無理です。
そうすると、もう少し、お金のかからない非日常性を求めるのです。
それが、高額のおせち料理であったり、
薄型テレビであったり、
六本木ヒルズでもあるのです。
ですから、こういうものを見て、
景気がいいと思ってしまうのは、中学生レベルの人です。
もう少し、高校の政治経済という科目を勉強しましょう。
それにしても、国内の自動車販売は、さえないと聞きます。
この「国内の自動車販売」が復活すれば、景気も復活したと言えるでしょう。
さて、来年は、地方において、金融システムが、大きな問題となるでしょう。
今年は、不良債権問題や過剰債務問題が、大きな話題となりましたが、
これは、あくまでも、メガバンク・レベルの話でした。
さらに、税金の負担増や、社会保障の負担増が始まります。
これは、これから、スタートしていくのです。
こうしてみると、これから、冬の時代が来ると、わかるでしょう。
こういうことは、数年前にもありました。
それは、橋本政権の時でした。
景気が持ち直したと判断し、税金の負担増や社会保障の負担増をやりました。
その結果、景気は底割れしました。
もう底だと思っていたところ、その底が割れて、さらに下層に落ちました。